
NFTを使った地方創生って聞くけど、具体的にはどんなプロジェクトがあるのかわからないなあ。
NFTを使った地方創生って、とても活発になってきてますよね。
日本政府もDXや関係人口の創出を推進していて、NFTやDAOを活用した地域おこしは、地方創生を進める上で重要な存在になってきています。
でも、話はよく聞くけれど、具体的にはどんな事例があるのだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。
また、自分の住んでいる地域でもNFTを使った地方創生を進めたいと思っているけど、どのように進めたらいいかわからないという方もいますよね。
実は、すでに農業×NFTを使ったコミュニティ運営で成功している事例があることを知っていますか。
愛媛県松山市の離島「中島」で「農業×NFT」を中心に活動している「メタ中島コミュニティ」は、販売したNFTが即完売するなど成功を収めています。
今回は、元自治体職員で地方創生分野にも関わっていた私(ユキ)が、「メタ中島コミュニティ」がなぜ農業×NFTの分野で成功しているのか記事にしました。
- 【農業×NFT】メタ中島コミュニティとは
- メタ中島コミュニティの成功している理由
- その他の農業×NFTプロジェクト事例
今後、どんどん注目されてくる「農業×NFT」のモデルケースになるプロジェクト。
きっと、今後の活動を進める上で参考になりますよ。
NFT:Non-Fungible Tokenの略。NFTは仮想通貨のように取引されることができますが、それぞれが異なる価値を持つため、一般的な仮想通貨とは異なります。
DAO:Decentralized Autonomous Organizationの略で「自律分散型組織」と言われます。ブロックチェーン技術を使用して、自律的に働く、デジタル上の組織を指す。DAOは、会社やNGOのような組織に似ていますが、会社と異なり、所有者や管理者がいない、分散型であるという特徴があります。
【農業×NFT】メタ中島コミュニティとは
メタ中島コミュニティは、愛媛県松山市にある離島「中島」で中島の豊かな地域資源を守り続けるために、DXを活用して島と世界をむすぶことを目指しているプロジェクトです。
オンライン上の新たな交流手段として注目される メタバース(仮想空間)において中島のコミュニティを醸成し、
- 名産である柑橘や六次産業化による商品の新たな市場を開拓
- 島でのリアルな体験につなげ
- 関係人口を創出すること
を目指して活動されています。
プロジェクトにより創出するのは、 中島を舞台にした「瀬戸内サスティナブルリトリート」。
島の地域資源を「癒し」に転換し、 オンラインとオフラインを通じて、さまざまな体験の機会を提供されるようですよ。
中島とは(※愛媛県庁HPより抜粋)
高浜港よりフェリーでおよそ1時間、怱那諸島の中心地です。 夏は海水浴客でビーチに人が溢れかえり、8月下旬に姫が浜ビーチで開催される中島トライアスロンでは、出場選手や関係者など来島者が1000人を超え大変にぎわいます。 島では柑橘の栽培が盛んで、国内の離島における果樹栽培の生産量は国内で有数です。 しかしながら、現在過疎化が進んでおり、かつて15,000人以上いた人口も現在はおよそ3,000人と5分の1に減少し、耕作放棄地が増え続けているのが現状です。
【農業×NFT】メタ中島コミュニティの活動事例


メタ中島コミュニティでは、主に以下の活動をされています。
- 活動事例① ナカジマみかんNFT
- 活動事例② Discordコミュニティ
- 活動事例③ 公式ホームページ・Twitter
- 活動事例④ メタ・イヨカン島(現在準備中)
順番にご紹介していきます。
活動事例① ナカジマみかんNFT


メタ中島コミュニティでは「ナカジマみかんNFT」を販売しています。
ナカジマみかんNFTはアートでつながる中島をテーマにしたNFTで、島の特産物である中島みかんとNFTアートを掛け合わせて地方創生・島の持続的発展に貢献すること目指しているコレクションです。
「 ナカジマみかんNFTシリーズ」 を通じた目的
- 中島を知らない人たちにとって中島を知るきっかけになる
- 中島にゆかりのある人たちには、より中島を好きになってもらう
NFTコレクションの発売を通じて、地域の持続的発展を目指す素敵なプロジェクトです。
◯「ナカジマみかんNFTシリーズ:ナカジマどんな」


「ナカジマみかんNFTシリーズ」の販売実績


そんな「ナカジマみかんNFT」ですが、既に発売は開始されています。
そして、第1弾の「ナカジマはれひめNFT」は発売後すぐに完売、第2段の「ナカジマどんなNFT」はオークションで発売され、0.092ETH(2023年1月現在、約15,000円)で落札されました!
発売後すぐに完売は大人気のプロジェクトの証ですね。
「ナカジマみかんNFTシリーズ」の特徴
「ナカジマみかんNFTシリーズ」は中島で生産したみかんとのセット販売となってます。
一次流通での購入後、2週間以内にメタ中島コミュニティ(Discord)の限定チャンネルよりお届け先を入力するとおいしい中島みかんが届くようですよ。
二次流通以降の取引においては、みかんとNFTはセットで提供していない点は注意してくださいね。
NFT購入からみかん受取までの流れ


その他のNFTユーティリティ
NFTホルダー特典として、メタ中島コミュニティ内の限定チャンネルへの参加が挙げられます。
また、メタバース空間「メタ・イヨカン島」でのイベントや中島における「いよかんサウナ」への参加、中島特産の柑橘類や関連商品の割引購入といったユーティリティを付与していく予定とのことです。
たくさんのユーティリティが付いていてとても楽しみですね。
「ナカジマみかんNFTシリーズ」今後の発売予定


「ナカジマNFTシリーズ」今後の発売予定は次のとおりです。
- 【第1弾】ナカジマはれひめNFT:2022年12⽉22日(木)21時〜(完売)
- 【第2弾】ナカジマどんなNFT:2023年1⽉4日(水)19時~(完売)
- 【第3弾】ナカジマいよかんNFT: 2023年1⽉14日(土)
- 【第4弾】ナカジマはるみNFT:2023年2⽉4日(土)
次回発売されるナカジマみかんNFTシリーズ第2弾「ナカジマどんなNFT」は、愛媛県松山市中島出身のイラストレーター田所哲平さんとのスペシャルコラボレーションNFT(1点物!)としてオークション形式で販売されるとのこと。
興味のある方は、メタ中島公式Twitterで最新情報を得るのがオススメです。
どうやらオークションへの参加者限定特典も発表されているみたいですよ!
活動事例② メタ中島コミュニティ


メタ中島コミュニティは2022年12月12日にDiscordコミュニティを発足させています。
NFTの販売とコミュニティの存在は密接に関わっているので、NFT発売前にコミュニティを開始しているのはとても凄いですね。
メタ中島コミュニティでは日々たくさんの投稿がされていてとても盛り上がってます。
興味のある方はコミュニティに参加してみてはどうでしょうか。
もちろん無料で参加できますよ。
Discordコミュニティとは
Discord と呼ばれる、チャットやビデオ通話ができるアプリを使用して、さまざまな人々が集まるオンラインのコミュニティのことを指します。Discordコミュニティを使用すると、共通の興味を持つ人々と話をしたり、プロジェクト運営を協力したりすることができます。
活動事例③ 公式HP &公式Twitter
メタ中島コミュニティでは公式HP &公式Twitterを運用されています。
公式HPはメタ中島コミュニティの目的やプロジェクトに込められた想い、活動内容、中島へのアクセスなど、メタ中島に関わる情報を網羅的に知りたい時に役立ちます。
公式Twitterは、メタ中島コミュニティの情報をリアルタイムに知りたい時に役立ちます。
また、音声配信のスペースも開催されているので楽しく情報を得ることができますよ。
活動事例④ メタ・イヨカン島(現在準備中)
メタ中島コミュニティでは、「メタ・イヨカン島」というメタバース空間を準備中とのこと。
現実の中島を訪れることが距離的に難しい方が気軽にメタバースで中島に行けるようになると素敵ですね。
メタ・イヨカン島のコンセプトは「旅するように訪れたい、バーチャルな世界に出現したもうひとつの中島。」
完成すればぜひ訪れてみたいですね。
【農業×NFT】メタ中島コミュニティが成功している理由4点を紹介
このように先進的な取り組みが成功しているメタ中島コミュニティですが、なぜこのような運営ができるのでしょうか。
私が考えるメタ中島コミュニティが成功している理由を4点ご紹介します。
理由① 株式会社農情人が参画している
株式会社農情人は、農業の常識を超越する「Metagri(Meta(超越)+Agri(農業))」 を合言葉に持続可能な方法で長期にわたって美味しい農作物を生産できる仕組みの実現を目指している会社です。
農業とブロックチェーン(NFT・暗号資産)を組み合わせたさまざまな事業モデルを実験するためのコミュニティ「Metagri研究所」を運営しており、そのプロジェクトとして「メタ中島コミュニティ」も位置付けられています。
「Metagri研究所」は農業×NFTのプロジェクトを複数成功させている実績があるので、「メタ中島コミュニティ」がスムーズに運営されているのも頷けますね。
Metagri研究所は誰でも参加できるDiscordコミュニティ「Metagri DAO」を展開しているので、興味のある方は参加してみてください。
理由② 発売したNFTが完売している
「NFTが完売していることが成功している要因って逆でしょ。成功しているからNFTが完売するんでしょ。」と思われる方もいると思います。
確かにその通りなんですが、NFT市場は規模がまだ小さく、2022年末現在で日本人口の0.01%しかNFTを購入していないとも言われるほどです。
また、NFT業界自体もまだまだ成長途中の業界で、未成熟な部分が多くあります。
ではなぜそんな未成熟なNFT業界の中で1つ何十万円もするようなNFTが売れるのでしょうか。
それは、そのNFTプロジェクトが将来的に大きく発展していくことへの期待感も含めた金額だからです。
この期待感を醸成していくことがNFTプロジェクトにとっては非常に重要な要素となっています。
そうした中で、メタ中島コミュニティが発売したNFT「ナカジマはれひめNFT」は発売後すぐに完売しました。
NFTを完売できるということはNFTの認知が広がっていて、将来的な発展に期待できるプロジェクトだと認識されていることの証明になります。
既にこのような土壌ができている点は、今後のコレクションの展開にもいい影響を与えるでしょう。
理由③ 活発に活動しているDiscordコミュニティがある
NFTを使ったプロジェクトはDiscordを使ったコミュニティを作ることが多く、メタ中島コミュニティも既にDiscordコミュニティを作っています。
Discordとは、オンラインコミュニティを作成するためのアプリで、以下のようなメリットがあります。
Discordコミュニティのメリット
◯コミュニケーションが容易に
ディスコードは、テキストチャットやボイスチャットをを使用できます。これらの機能を使えば、他のメンバーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。
◯アクセス可能性を高める
ディスコードは、スマートフォンやタブレットでも使用することができるため、場所を問わず、コミュニティへの参加ややり取りができます。
◯コンテンツを共有しやすい
ディスコードでは、画像や動画、その他のファイルを共有することができ、コミュニティ内での情報共有が簡単にできます。
◯カスタマイズが可能
ディスコードは各コミュニティに応じて様々な設定ができるため、コミュニティの管理や運営がしやすくなります。
メタ中島コミュニティのDiscord運営
メタ中島コミュニティのDiscordコミュニティは、2022年12月12日に開始したばかりですが、しっかりとした運営がされていてとても盛り上がっています。
NFTプロジェクトのDiscord運営は難しく、
- 運営ルールの決定
- セキュリティ対策
- botの導入
- コミュニティの盛り上げ
など、コミュニティ運営のために必要な事項がとても多いことが特徴です。
メタ中島コミュニティの運営チームは、それらを適切に導入・運用できているため、安定したコミュニティ運営ができています。
盛り上がっているコミュニティがあることが、NFTの販売には重要な要素なので安心してNFTコレクションを購入できます。
また、中島自体にも興味を持つ方が増えてきており、関係人口の創出にも役立っていますね。
理由④ 愛媛県のバックアップを受けている
メタ中島コミュニティは愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」の採択事業として実施しています。
トライアングルエヒメは、デジタル技術やロボット技術を使用して、地域課題の解決にチャレンジすることを目標としており、
- 愛媛県内を実装フィールド
- 民間事業者(コンソーシアムを含む。)から企画提案を募集
- デジタル技術の実装や県内への横展開の実現性等の高い提案が対象
- 1事業の実証費用は上限3,000万円
という事業となっています。
地方の実証事業かつ複数採択あり、上限3,000万円の委託事業はかなり力が入っている印象がありますね。
県の支援を受けながらプロジェクト運営ができている点も、安定している理由ですね。
その他の「農業×NFT」コレクション事例
メタ中島コミュニティ以外にも「農業×NFT」コレクション事例を簡単に紹介します。
まだ数は多くないですが、今後どんどん増えてくると予想されています。
「Metagri研究所」関連プロジェクト
メタ中島コミュニティの運営をしているMetagri研究所ですが、その他にも複数の「農業×NFT」のプロジェクトを成功させています。
コレクション①:MLSC(MetagriLabo Suica Collection)
熊本県でスイカを生産する「しまだスイカ農園」さんと共同で行った実験プロジェクトです。
「MetagriLabo Suica Collection(MLSC)」と称して、日本初であるスイカNFTをPolygonネットワークを利用して独自コントラクトで発行されています。
2022年末現在で1次流通は完売し、2次流通で1点がリストされているのみです。
※2022年8月10日をもってスイカとのセット販売は終了しています。
コレクション②:MLTC(MetagriLabo Tomato Collection)
熊本県山都町のトマト農家「梶原耕藝」と共同で行ったトマト×NFTプロジェクトです。
梶原耕藝のトマト栽培ストーリーにトマトの生育過程を掛け合わせて「ジェネラティブNFT」として表現しています。
このMLTCは「投機目的」ではなく、「応援の証」としてのNFT。
現状、短期的な値上がりを期待してNFTを購入する投機家がありふれるなか、MLTCは一線を画すNFTに仕上げているようです。
前例のない「農業×NFT」を掛け合わせたクラウドファンディングにおいて目標金額の30万円を達成!
※2022年9月10日をもってトマトとのセット販売は終了しています。
コレクション③:MLMC(MetagriLabo Muscat Collection)
長野県長野市の「フルプロ農園」と共に、シャインマスカット×NFTプロジェクト「MetagriLabo Muscat Collection(略称:MLMC)」を開始しています。
投機目的ではなく「応援」「スポンサー」の証としてのNFTをきっかけとした農業のブランディングに取り組むプロジェクト。
※シャインマスカットとNFTのセット販売は9/20(火)に終了しています。
TomajoDAO


「TomajoDAO」は、農業をしながら、登録者数7万人以上のYouTuber、Voicyパーソナリティ、そしてTomajoNFTの発行など、幅広く活躍されている「とまたろうさん」がファウンダーをつとめるコミュニティです。
生活する上で絶対に欠かせない食品を作っているにも関わらず、なかなか豊かになれないのが日本の農家の現状。
「TomajoDAO」は、そんな日本の農業を改革するためにtomajoNFTを発行しています。
■tomajoNFTの価格推移
tomajoNFTは2022年7月3日(日)に第一作目をリリース。
以後、毎週日曜日の朝10時1作品ごとオークション形式でリリースしています。初期の作品は0.01ETH(約2,500円)でしたが、徐々に価格が上がり、2022年末現在までの最高落札額は1.25ETH(当時のレートで約28万円)です。
「TomajoDAO」の特徴は、小規模コミュニティならではの「熱いメンバー」が揃っているコミュニティだということですね。
今後はジェネラティブNFTコレクションの発売も予定されているとのことです。
「TomajoDAO」の今後が楽しみですね。
夕張メロンNFT
夕張メロンNFTは、夕張メロンの作り手を支えるファンの輪を広げたいと思い、JA夕張市とMeTownが共同で立ち上げたプロジェクトです。
このプロジェクトでは、JA夕張市公認 夕張メロン「デジタルアンバサダー」(通称:夕張メロンNFT)を888個限定で販売する予定となっています。
夕張メロンNFTを保有すると、
- 夕張メロン引換券(夕張メロン1玉をご指定の住所にお届けできる権利 *国内発送限定)
- JA夕張市公認の夕張メロン「デジタルアンバサダー」になれる権利
が与えられる予定となっており、事前登録では1,000名を超えるなど大注目されてますよ。
今後のスケジュール
期間 | 販売方法 | 数量 | 価格 | |
事前登録 | 2022/12/1 〜 2022/12/20(※終了) | 事前登録申込サイトのフォーム入力(無料) | ||
事前登録者限定プレセール | 1月14日(土)PM14時開始(先着順) | 特設サイト | 100個限定 | 0.06ETH |
一般セール | 1月21日(土)PM14時開始(先着順) | 特設サイト | 888個限定(プレセール販売の数量を含む) | 0.07ETH |
まとめ:「農業×NFT」は今後も大注目
今回は、「農業×NFT」プロジェクト「メタ中島コミュニティ」について解説しました。
メタ中島コミュニティは「NFT、Discord、公式HP、Twitter」といったツールを活用し、プロジェクトをうまく盛り上げていますね。
そうした運営ができている要因として、
- 新しいプロジェクトを進めようという地域の想い
- 株式会社農情人を中心とした経験豊富な運営チーム
- プロジェクトを後押しできる行政の制度
がそろったからだと考えられます。
農業×NFTの可能性は大きく、今後も多くのプロジェクトが開始するでしょう。
もし、農業をされている方、農業を通じて地域を発展させたい方は、一度NFTプロジェクトを検討してみてはいかがでしょうか。
新しい可能性が開けるかもしれませんよ。